
今回は大きなストレッチ研修だ。
店舗が、学校と化す。
前回に比べて、 落ち着いた雰囲気を感じる。
小グループに別れて、 ストレッチに覚えがある人が、そうでない人に各所で指導を行う。
中には、ただストレッチをされたい人もいた。 坂本のことだ。

筋肉と関節をしっかり把握していると、 分かりやすいとのこと。
なるほど!
…が、それは坂本の感覚だ。
ストレッチには、 教科書や文字からはわからない、 指先、肌触り、そういった感覚で捉えないといけない難しさがある気がした。
トレーナーの感覚が浮き彫りになる。
この研修を通して、 アヴニールのトレーナーは、 “感覚” を共有できたと感じた。

だが、その“感覚”を知ったとて、 傲ってはいけない。
いくら鍵穴から世界を覗いても、 それは、世界の広さを知ったことにはならない。
ストレッチに覚えがあったトレーナーにとっても、今回の研修は、大きな気づきになったという印象だった。
それぞれに、学びがある研修だったと私は感じた。

この部屋には、水はない。
だが、坂本の目にはしっかりと海が見えた。 それも、荒れた海である。
ここに集まった人は、アヴニールという同じ船に乗るクルーだ。
この船は、荒れた海で、
どこに、どうやって進むのか。
その眼は、どこを指すのか。