
「話す」じゃなくて、「分かち合う」
6月の中間全体MTGは、“らしさ”が集まる時間。
6月2日(月)に実施された中間全体MTG。
今回のMTGのテーマは、
『繋がり』を感じる時間の共有 ~人が人らしくいられる余白づくり~。
アヴニールで過ごす毎日の中で、
ふと立ち止まって「自分のこと」を言葉にしてみる。
そして、それを誰かと「分かち合う」。
離れて働く仲間同士が、言葉にならない気持ちにも
静かに耳を澄ませるような──
そんなあたたかな時間が流れました。
このMTGは、“会社のための報告”ではなく、
「自分と向き合う」ことを大切にする場。
そして、アヴニールという会社が「人」でできている」
ということを、改めて感じるためのひとときでもありました。
「今回のテーマは、“最近、地味に困っていること”か、“あと少し勇気を出せるならやりたいこと”。
一人一人が、“人としての自分”を届けてほしい。」
そう呼びかけながら、阿部氏は自らの例を挙げて語り始めた。
阿部「名前も言いたくない“あいつ”に、俺は負けている」
「僕、1階のマンションに住んでるんですけどね。
この時期になると、出るんですよ。“嫌なやつ”。名前は……言いたくもない。」
会場に笑いが起きる。
「Amazonで“発火の油”を大量発注して、特製スプレー作って、家中に撒いてます。
でも……根絶やしにはできてないんですよ。
素穴、場所は分かってる。突っ込めばいける。けど、勇気が出ない。」
「もし今日、“阿部さん、いけますよ”って誰かが背中押してくれたら、
俺はたぶん帰ってから、手を突っ込んでると思います(笑)」
■ 本音で笑って、本音でつながる
この軽やかな話題は、参加者の表情を緩め、空気を一つにした。
「こういう“ゆるさ”の中にある本音の交換こそが、
アブニールにとって大事にしたい空気感なんです。」
阿部氏はそう語りながら、会の温度を静かに整えていった。
自分の“らしさ”や“ありがとう”を届ける時間があった。
そして今回は、“本音を分かち合う”空気があった。
少し笑えて、少し心があたたかくなるような。
そんな“余白”が、アブニールという共同体を育てていく。
大須田「料理ができる父になりたい」
■ “振る舞う側”へ、一歩ずつ
「僕が“あと少し勇気を出せるなら”と思うのは、料理ですね。」
そう語るのは、家庭を大切にしながら日々を過ごしている大須田翔来氏。
現在は、奥さまが毎日の料理を担ってくれているという。
「僕は、ほとんど料理ができないんです。
なので、今は全部妻に任せっぱなしなんですよね。」
それでも、大須田氏には想いがある。
「子どももいますし、これから子どもが大きくなるまでには、
自分でも料理を振る舞えるようになりたいと思ってます。頑張ります。」
■ 家族を想う、強くて静かな決意
それを受けた阿部氏は、「コメント禁止」と前置きしつつも、思わずひとこと。
「大須田さん、実はめちゃくちゃ“家庭愛”が深いんですよ。
今日の発言、すべてが奥さまのこと。そこがまた、いい。」
“料理を覚えたい”という言葉の奥には、
「誰かのために何かをしてあげたい」という、静かな愛情があった。
トレーナーとしての成長だけでなく、
家庭の中でも頼れる存在を目指す、その誠実さが印象的なひとときだった。
坂本「アヴニールを動かすために、自分が磨くべきもの」
■ “イエスマン”を越えていく覚悟
「僕が、もしもう少し勇気を出せるなら——」
そう語り出したのは、坂本氏。
ありがたいことに、周囲から「頑張っている」と評価される場面が増えてきたという。
「正直な話、僕は代表のことが好きなんですよ。
だからこそ、言われたことを100%、全部受け止めて動いてしまう。
代表がトップダウンで判断されることに対しても、
“やっぱり社長だから”と自分の考えを控えてきた部分がありました。」
だが最近、ふとした自問が生まれた。
「このままでいいのか?」
「本当に組織の未来を考えるなら、自分の意見をぶつける勇気が必要なんじゃないか?」
「今も実は、代表からLINEが来てるんですけど(笑)
それに“これってこうじゃないですか?”と言えるような、そんな人間でありたいと思ってます。」
組織の未来のために、そして自分の責任を引き受けるために。
「イエスマンではなく、“一緒に創る人間”でありたい」と坂本氏は語った。
■ 編集長のひとり言 —— “志”という名の火を灯せるか
私の言葉には、間違いなく熱があった。
だが、それが“火”になるには、もう一つ足りないものがあったことを後になり気がついた。
それは「志」であった。
“評価されたから頑張る”“勇気を出して意見を言ってみたい”
——その気持ちは揺るぎない尊さだ。だが、それはあくまで入口に過ぎない。
組織を変え、未来を創る人間は、「志」を持っている。
入口に立って満足しているのは、それはまだ傍観者である。
つまり、私は坂本にこう問う必要がある。
- 自分は何を変えたいのか?
- 誰をどう幸せにしたいのか?
- なぜ、この場所でそれを実現するのか?
「イエスマンではいたくない」と言うなら、
まずは**「自分自身だけでなく、人の心も動かせるビジョンを持つ」こと**が必要だ。
坂本氏が本当にこの先、代表と語り合い、未来を共創する存在になっていくならば——
“待った”を言うための、揺るぎない未来の設計図が必要になる。
「志」とは、未来を照らす光だ。
坂本よ、君の言葉が、誰かの火を灯せるようになる日を、心から待っている。
伊谷「休みの使い方が、わからない」
■ 丸一日、何もない「休み」が怖い
「“あと少し勇気を出せるなら”っていうテーマで話すなら——
僕、サイボス(社内スケジュール)を見てもらったらわかると思うんですけど、ほとんど“丸一日休み”って日がないんです。」
そう語る伊谷氏は、それを「働きすぎ」だとは言わない。
むしろその背景には、自分自身の“不得意”があるという。
「単純にスケジュールを組むのが下手なんですよね。
それと、そもそも“休みの日に何をすればいいか分からない”っていうのがあって。」
気がつけば、何も予定がない日が不安で、つい仕事を入れてしまう。
「休みの使い方がわからない」——それが、伊谷氏が静かに抱える“地味な困りごと”だった。
■ 勇気を出して、“休む計画”を立てたい
「だから、次の一歩としては、ちゃんと休みを“計画して休む”ってことをやってみたいです。
もし誰か、いい場所とか、面白かったこととか、
“ここ行ってよかったよ”っていうのがあったら、ぜひ教えてもらえたら嬉しいです。」
笑いも交えつつ語った伊谷氏のこの話に、阿部氏からはこんなコメントが返ってきた。
「いや、伊谷くんらしいですね。
“やることがないから仕事をする”って、ちょっと切ないけど、めっちゃ共感できます(笑)
小林「ペアピラティス、むずいんです」
■ 「ペアピラティスが難しい」
「困っていること……仕事のことなんですけど、ペアピラティス、むずいなって思ってて。
誰か、教えてください。」
ミーティング中、小林正弥氏はそんな率直な悩みを口にした。
短くも真っ直ぐなその声に、グループ内の仲間たちが反応した。
■ 「気合い」「覚悟」「工夫」——仲間からの愛ある助言
まず反応したのは、女性トレーナーの福澤氏。
「気合い」と一言。
その潔さと説得力に、思わず笑いが漏れる。
続いて田中海音氏が補足するように語った。
「もうね、始まる前に、“2倍疲れる覚悟”をすること。
それしかないと思います。」
そして大鷹しおり氏は、シンプルに——
「頑張ってください。」
一方、実体験をもとにした言葉を届けてくれたのは野中優依氏。
「私もペア、めちゃくちゃ悩んでました。
多い月だと25〜26本、ほぼ毎週来る方がいて。
マットでやると、“またこれか感”が出そうだなって悩んだこともあります。」
「でも、“マットだけでも満足度の高い構成”を意識すれば、
無理にマシンに頼らなくても良いんです。
ちゃんと達成感も出せるし、教える側の負担も減る。」
■ 「頑張り方」にも、仲間のヒントがある
悩みを打ち明けた小林氏にとって、それは一方的な“アドバイス”ではなかった。
まるで“共に闘っている”仲間からの応援のようなやりとりだった。
阿部氏がまとめる。
「つまり……“しっかり準備して、気合い入れて、黙って頑張れ”と(笑)。
でも、それって一番愛のあるアドバイスかもしれませんね。」
笠井「“高い志”と“今の自分”のギャップに、時々しんどくなるんです」
■ 「挑戦したいことは、やってから考えるタイプなんです」
「僕、基本的に“やらんで後悔するくらいなら、やってから考える”タイプなんですよね。
だから挑戦って言われても、今すぐ“これがしたい”っていうアイデアは特にないんです。」
そう語るのは、笠井氏。
実際、彼は最近月に5冊もの本を読み、その感想をWeb上でアウトプットしているという。
「反応とかは特にないんですけど、自分のためにやってます。
読んだ本をメモしながらインプットして、自分の言葉でまとめて公開してるんです。」
■ 「志は高く持ってる。でも……」
ここで彼は、ふと静かなトーンでこう続けた。
「目標とか、志って、僕すごく高く持ってるつもりなんです。
でも、今の自分とのギャップを感じることもあって、正直しんどい時もあるんですよね。」
この言葉に、会場が一瞬静かになった。
それはきっと、多くの人が共感できる“本音”だったからだ。
「成長していく過程で、こういう悩みって、誰でもぶつかるものだと思うんです。
でも、みんなそれをどう乗り越えてるのか……ちょっと聞いてみたいなと思って。」
■ 「アウトプットが、自分を形にする」
阿部氏はその言葉に深く頷きつつ、こう語った。
「いや、笠井くんは渋いね。さすが。
しかもその読書のアウトプットをWebにまとめてるって、本当にすごいことやと思う。」
感想をシェアしていくこと。
その積み重ねが、アヴニールの“知のライブラリー”を育てていくのかもしれない。
素川「ほんとは、死ぬほど飲みたいんですよ」
—— トレーナー・素川氏が語る、“ささやかな本音”
■「この仕事をしてて言うのもアレなんですが……」
「言うべきことじゃないかもしれないですけど……僕、実はお酒が大好きなんです。」
そう話し始めたのは、トレーナーの素川集氏。
一見、健康第一の職業柄、お酒の話は“タブー”にも聞こえるかもしれない。
だが、そのあとに続いた言葉は、誰もが共感できる“小さな本音”だった。
■「最近、思い切って飲めてないんです」
「朝早くから仕事が入ってたりして、最近はなかなか思いきって飲めてないんです。
ちょっとは飲むんですけどね、こう……“死ぬほど飲む”みたいなことができてないというか。」
笑いながらそう語った素川氏は、言葉の最後にこう付け加えた。
「勇気を出せるなら……もう一晩、誰かと気兼ねなく飲み明かしたいですね。
なので、どなたかお付き合いくださる方がいれば、ぜひお願いします!」
■「ちなみに、何が好きなんですか?」
それを受けて阿部氏が軽快に質問を返す。
「ちなみに、何の口なんですか?」
「ハイボールでも、ワインでも、なんでもいけます!」と笑顔で答える素川氏。
梶本「独立してみたい——けど、まずは米が買えない」
—— トレーナー・梶本氏が語る、“今”と“その先”のリアル
■ 地味に困っているのは「米問題」
「最近、地味に困ってることがあって……お米、高くないですか?」
そう語ったのは、トレーナーの梶本氏。
酒の話題から振られたトークは、まさかの「コメ事情」へと展開した。
「実は、今うちにある5kgの米がそろそろ尽きそうで。
ちょうど政府の備蓄米が抽選販売されてるんですけど、全然当たらないんですよ。
“アイリスプラザ”っていうアプリで応募してるんですけどね……外れ続けてて、困ってます。」
笑いながら話すその表情の裏には、生活のリアルがのぞく。
■ そして——「いつか独立したい」
そんな“ささやかな困りごと”のあとに、ふと語られた未来の話。
「少し勇気を出せるなら、いずれは“独立”したいと思ってます。
どんな形になるかはわからないけど、SNSなのか、店舗を持つのか……。
でも、自分の意志で舵を取り、物事を進めていきたい性格なので。」
その静かな言葉の中には、確かに“次のステージ”への芽が宿っていた。
■ 「今の働き方がすべてじゃない」——阿部氏からのひと言
梶本氏の“独立”という言葉を受け、阿部氏も思いを口にした。
「今ここにいる全員に伝えたいのは、“今の働き方が全てじゃない”ってことです。
たとえば『辞めるために今を頑張る』くらいの気持ちでもいい。
それくらい目の前の仕事に本気になれる人が、きっと次の場所でも通用するんです。」
そして続けた。
「僕自身も、アヴニールに骨をうずめようとは思ってないです。
でも、だからこそ“今”を大切にしてる。
梶本さんのように、未来に志を持つ人が“今ここで”頑張ってくれることに、僕は感謝したいし、応援したいと思っています。」
平岡「減量中の今、夢見るのは——“デザート食べ放題”」
—— トレーナー・平岡孝太氏の“欲”と“ストイック”
■ 原料期の“ささやかな夢”
「お疲れ様です。今、僕、減量中なんです。」
そう話し始めた平岡氏の口から出た“あと少し勇気を出せるなら”のテーマは——甘い夢だった。
「本当は、好きなだけデザートを食べたいです。
もう、スイーツを思いっきり組みまくりたい。そんな願望があります。」
飾らない言葉に、会場からは思わず笑みがこぼれた。
■ 「人間らしさ」全開のトーク
発言を受けた阿部氏も笑いながらコメント。
「人間の欲が出てきまくってる感じですね。でも、それがいいっすね。」
現在、減量中ということもあり、日々のセッションや生活の中での制限は多い。
そんな中でも「しっかり目標に向かって頑張ってほしい」と、阿部氏からエールが送られた。
遊佐「パンツに穴、リモコン紛失——それでも僕は元気です。」
—— トレーナー・遊佐和希氏、“最近ちょっと困っていること”
■ 穴あきパンツで過ごす日々
「最近困っていること、なんですけど……パンツが全部、穴空いちゃってて。」
思わず笑ってしまいそうな“告白”で、場の空気をパッと和ませた遊佐氏。
「この前買いに行ったんですけど、Mサイズしか置いてなくて…。仕方なく、まだ穴空いたままのパンツを履いてます」と苦笑い。
こんな話を、自然体で話せるのも、遊佐氏らしさだ。
■ 感情のある生活と、ないリモコン
続けて話したのは、もう一つの“地味な困りごと”。
「ありがたいことに“感情”が生まれまして。最近はお家で映画を観ることが増えたんですよ。でも、Amazon Fire Stickのリモコンを無くしてしまって、映画が見られないんです…。」
——「本体はあるのに、操作できない」
まさに“惜しい”日常が、彼の語りからユーモラスに伝わってくる。
野中「朝のウェア問題が、意外と大きな悩みです」
—— トレーナー・野中氏、“最近地味に困っていること”
「最近ちょっと地味に困ってることがあって…朝、出勤前に“何を着るか”で毎日悩んでます。」
そう語る野中氏が今直面しているのは、トレーナーならではの“ウェア問題”。
「暑くなってきたんで、長袖にするか半袖にするかでも迷うし、着たいウェアが洗濯中でなかったりすると、もうそれだけでテンションが下がるんですよね。」
日々の準備の中で発生する、ちょっとした葛藤。けれど、彼女にとっては1日のスタートを左右する大事な瞬間だ。
「ほんとに地味ですけど、朝のウェアで毎日困ってます」と笑顔を交えて話す野中氏。
その率直なひと言に、思わず共感するメンバーも多かったに違いない。
田中「“間違ってるのにドヤ顔”の壁に、どう声をかけるか」
—— トレーナー・田中海音氏の“最近地味に困っていること”
「セッション中、どう声をかけようか迷うお客さまが、実は1人だけいて——」
田中海音氏が話し始めたのは、現場で直面している“リアルなジレンマ”についてだった。
「その方、何度指導しても動きが間違っているんです。
でも…すごく自信たっぷりな顔でやられるので、なかなか言いにくくて。」
トレーナーとしては正しい動きに導きたい。けれど、相手が“やっているつもり”になっていると、
どう伝えるかが繊細になる。
「本当は違う部位を動かしてほしいのに、そこじゃないところを動かしてドヤ顔されると、もうどうしようって…。
ちょっと困ってます。」
そう語る田中氏に、会場はほっこり笑いに包まれた。
大鷹「勇気を出して、ひと言。——“基本給、上げてほしいです。”」
—— トレーナー・大鷹しおり氏の「あと少し勇気を出せたら言いたいこと」
静かに、でもしっかりとした声で、大鷹しおり氏はこう言った。
「勇気を出して言います。……基本給、上げてほしいです。以上です。」
場に一瞬の間があって、そこから自然と笑いと共感の空気が広がる。
「基本給は上げてほしいですよね」と応じたのは阿部氏。
そのやり取りの中にも、組織全体で「本音を言える空気」が育っていることがうかがえる。
福澤「“数人を引き込む空気感”を、グループで届けたい」
トレーナーの福澤氏は、少し照れくさそうに、けれど自分の中にある“願い”を口にした。
「仕事のことで言うと……私はパーソナルより、グループレッスンの方が得意だなって、自分で感じているんです。数人をふわっと巻き込むような、そんな雰囲気で場をつくるのが好きで。だから、いつかリンク(アヴニールのスタジオ)で、ワークショップみたいなことがやってみたいんです。」
ただ、その“一歩”がまだ踏み出せていない、とも打ち明ける。
「社内で集客して、ワークショップを開くって……やっぱりちょっと勇気が要るなって思っていて。」
そんな本音に対して、阿部氏は即座にこう返した。
「福澤さんのような“少人数を惹きつける”空気感って、タオラボのワークショップにすごく合うと思うよ。」
実際、タオラボの活動テーマは、“パーソナルに届かない人に届ける”こと。
パーソナルに通うほどではない、あるいは通う前段階の人たちに、アヴニールの空気を届ける“きっかけ”として、福澤氏のような存在はとても貴重だという。
「あと一歩、踏み出せたら——ハムスターも」
「プライベートで言うと……私、ハムスターがすごく好きなんです。でも、飼いたいけど、ペットショップには行ってるけど……あと一歩が出ないんです。」
思わず笑みがこぼれるようなエピソード。けれどその“あと一歩”に、仕事でもプライベートでも共通する「ためらい」が見え隠れする。
まとめ:阿部「靴を脱いで、リュックを置いて。——“トレーナーではない自分”と向き合う時間を」
中間全体ミーティングの最後に、ファシリテーターを務めた阿部氏から、参加者全員に向けてこんな言葉が投げかけられた。
「今から数分、自分と向き合う時間を取りたいと思います。資料にも書いていますが、“これまでの自分を振り返って、よくやったと伝えたいこと”について、心の中でも、メモでも構いません。少し目を閉じて、頭の中でイメージするだけでもいいです。」
普段はクライアントに寄り添い、言葉を届け、体に向き合うトレーナーたち。
けれどこの時間は、誰かのためではなく、自分自身のために使ってほしい——そんな願いが込められていた。
阿部氏は、続けて語る。
「日々、技術と向き合っていると思います。ピラティス、トレーニング、知識、指導力。もちろん大切です。でも、今のアヴニールにとって本当に大切なのは、そこじゃないと思っていて。」
彼が言う“本当に大切なこと”とは、トレーナーとしての肩書きを一旦置いて、「ただの“自分”と向き合うこと」だった。
「阿部トレーナー、遊佐トレーナー、平岡トレーナー……そういった役割の自分ではなく、“阿部”“遊佐”“平岡”として、自分と会話すること。
リュックを置いて、靴を脱いで。誰でもない“自分”に戻る時間が、これからのアヴニールには必要だと思っています。」
「向き合う時間」が育てる組織の温度
この数分間、会議室は静かに時を刻んだ。
パソコンの画面を伏せ、考え事をする人。
手元にメモを取り、何かを噛みしめるように目を閉じる人。
それぞれが、それぞれのペースで“向き合っていた”。
「トレーナーである前に、人としての自分を見つめること。それが、この組織がこれから一番大事にすべきことだと、僕は本気で思っています。」
自分の声を届ける。
誰かの声を聞く。
言葉にすることを恐れず、つながることを面倒がらずに、ラフに、温かく。
そんな空気を大切にするこの場は、まさに“アヴニールらしさ”の象徴だった。
そしてその文化を、これからも続けていこうとする意志が、静かに会議の幕を下ろした。
編集長あとがき
「言葉が“残る”ということ——これは、未来への架け橋」
人は、すぐに忘れてしまう生き物だ。
けれど、「言葉」は残る。
どんなにささやかでも、どんなに照れくさくても、語られた想いは記録されれば“跡”になる。
この日、アヴニールという場所で交わされた無数の小さな声も、こうして記事になったことで、未来につながる軌跡になった。
今回のミーティングを通して印象的だったのは、「役割ではない、その人自身」が語られていたことだ。
トレーナーとしての技術や実績ではなく、家族の話、趣味の話、些細な悩み——
一見“仕事”とは関係ないように思えるけれど、むしろそれこそが“人と人との文化”を育てていく。
アヴニールは、「つながり」を大切にする会社だ。
だからこそ、“誰かに話す”こと、“誰かの話を聞く”こと、
そして“それを残す”ことに、確かな意味があると信じている。
この言葉たちは、今日を映し出す鏡であり、
明日へと続く橋でもある。
数年後、この記録を読み返した時に、
「あの日、自分はこんなことを思っていたんだ」
「あの人の声、今の自分に響くな」
そう感じてもらえる日が、きっと来るだろう。
そうなったとき、このアヴトークが果たす役割は、きっと想像以上に大きい。
だから、今日の記録を胸に——
また、それぞれの場所で、それぞれの言葉を育てていこう。
アヴトーク編集長より