CTO阿部の「ことばの種」– category –
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思考のうねりを求めて【ことばの種】
穏やかな水面にひとつ小石を落とすと、波紋は静かに、そして確かに広がっていく。 思考もまた、そうして生まれ、揺れながら深まるものだと思う。 『思考とは、沈黙に波紋を起こす、静かな衝動』 「問い」は、心の奥に沈めた石のように、やがて“自分の輪郭”... -
永遠の途上性【ことばの種】
どこまで来ても、まだ途中。完成が目の前に現れた瞬間に、次の問いが生まれてくる。 「できた」ではなく、「向かっている」が、人を豊かにする言葉だと思う。 『人生は、いつだって途中の自分にしか会えない」 終わりがないことは、不完全なのではなく、... -
愛さないを愛す【ことばの種】
「愛せない」と感じるとき、それは愛の欠如ではなく、“愛の変容”なのかもしれない。 触れることができない痛みが、どこかで愛を拒んでいるのではなく、守っていることもあると思う。 『本当の愛は、愛さないにさえも寄り添う愛』 愛は、美しいものだけに向... -
受け取るではなく与える【ことばの種】
満たされたいと何かを求め願うとき、人は何かを受け取ろうと手を伸ばす。 けれど、本当に満ちる瞬間は、何かを与えようとしたときに訪れる。 「与える」とは、自らの内にあるものを見出す行為だと思う。 『真に与える者は、欠けを抱えたまま誰かを照... -
何も持たない強さ【ことばの種】
持っていないようで、目に見えぬ何かを深く携えている人がいる。 その人の沈黙には、言葉を超える響きがあり、空の手には静かに育まれた誇りのようなものがある。 『空っぽに見える拳ほど、ほんとうの“何か”を抱いていることがある』 私たちは、「持つこ... -
謝罪力と和解力【ことばの種】
誰かに「ごめん」と言うことは、自分が小さくなることではなく、愛の方へと自分をほどいていくことだと思う。 “誤りに気づいた心で謝ること”は、すでに“和”の入口に立つ姿。 『“ごめん”の奥には、“共に在りたい”が隠れている』 謝ることは勇気ではなく、優... -
どちらかではなく、どこに居るか【ことばの種】
白か黒か、ではなく。右か左か、でもなく。 私たちの“在り方”は、常に“その場所”に宿る。 『どちらでもない場所に、ほんとうの自分は立つ』 選ぶことよりも、“居ること”に真実があると思う。 対立するものを眺めるとき、私たちはつい無意識に「どちらが正... -
分け繋がる愛【ことばの種】
境界線を引くことは、拒絶ではない。むしろそこには、もう一つの世界と出会う扉が生まれる。 触れられることのなかった想いに名を与え、形を与えるとき、それは“別れ”ではなく“始まり”となる。 『分けることは、愛を見つける地図となる』 一つに見えていた... -
咲くよりも、根を張る意識を【ことばの種】
私たちは、ときに“咲くこと”ばかりに目を向けがちになる。 しかし、“根があるから”咲くことに意味が生まれることを知っておかなければならない。 “花咲く”というのは、一瞬の表現。“根を張る”というのは、永続の表現。 誰にも気づかれず、褒められもせず、... -
成功と目的の交差点【ことばの種】
踏みしめた足元に、光が差している。けれど、ふと顔を上げたその先にも、確かに光は在る。 一つは近くて強く、一つは遠くて美しい。 その“強い光”と“美しい光”に、私たちは同時に照らされて人生を歩む。 『目の前が明るいときほど、遠い先を見失いやすい』... -
信じるしかないは、孤独の言い訳【ことばの種】
私たちは、誰よりも自分自身の声を聴いている。 “最後は自分を信じる”という言葉は、“最後は自分しか信じるしかない”という人としての悲しみだと思う。 “自分を信じる”。それは誇りではなく、誰にも触れられることがなかった“孤独”の名残り。 『ひとり... -
前提の愛【ことばの種】
人生において、私たちは何かを“選んでいる”とつい思ってしまう。しかし実際には、その選択の“前提”によって、既に多くが定まっているのかもしれない。 どんな“問い”も、どんな“関係”も、何を“前提”として始まるかで全てが変わると思う。 『前提が違えば... -
“ちょうどいい”の探求【ことばの種】
陽の光が、眩しすぎず、暗すぎず、ただ“ちょうどよく”部屋に差し込んでくるとき、私たちはそれを特別とは思わない。 けれど、その“何も主張しない優しさ”こそが、ほんとうは心に深い潤いをもたらしている。 『完璧よりも、心が満たされるのは調和で... -
弱き強い者【ことばの種】
目立つことなく、その場に踏ん張る人がいる。誰にも気付かれず、その場で誰かを支えている人がいる。 その人は、“声なき声”が最も深く届く“その場”を知っている。 強さとは、戦う姿ではなく、“赦し”を選び続ける姿の中にあると思う。 『ほんとうの... -
安定は、不安定によって成り立つ【ことばの種】
見えない力が、いつも土台をつくっている。揺れながらも、支えているものがある。 影があるから、光が立ち上がるように、表に現れないものほど、大切だと思う。 見た目の“安定”が、見えない“不安定”に支えられていることを、人はどれほど感じて生きてい... -
自由は嘘、自在こそが自由【ことばの種】
真っ白なキャンパスに、まだ何も描かれていないとき、その余白こそがすでに“在る”という価値を生み出している。 “自由”を求める叫びは、しばしば“塗られたくないという拒み”となるが、“自在”とは、どんな色にも染まりながら、なお“自分”でいられることだと... -
自由な意志と確かな判断【ことばの種】
静かな風のように、意志は訪れて、まだ輪郭のない願いが、心の奥を撫でてゆく。 自由とは、“何もかもを選べる”ことではなく、“ほんとうに選ぶべきもの”に気付くための感性だと思う。 それが、“確かな判断”への小さな導きとなる。 『選ぶことは、見つめるこ... -
公平ではなく、公正であれ【ことばの種】
同じ重さに見えるものが、同じ痛みになる訳ではない。光を平らに分けることと、影の深さに寄り添うことは違う。 “あなた”のまなざしは、どちらを見ているのか。 “同じようにすること”が、必ずしも“正しい”訳ではない。人はそれぞれ、違う歩幅で生きていて... -
自己の弱さの尊さ【ことばの種】
“真の強さ”は、その“自己の弱さ”の中にあり、“尊いものの宿り”に気付いたときに生まれる。 人には、どれほど隠そうとしても、心の奥に残り続ける“弱さ”がある。 それを見つめるのは、少し怖くて臆病になる。しかし、その“怯え”の中にだけ、“ほんとうの自分... -
無意識の意識【ことばの種】
思い出せないけど、確かにそこにある気配。言葉にならないけど、肌が覚えるその温度。 『まだ知らぬ“あなた”が、“あなた”を動かす』 それは“はじまり”ではなくて、“もっと奥にひそむはじまり”である。 無意識は、意識の手前ではない。無意識は、奥深く、拡... -
愛は、愛にしか反応しない【ことばの種】
心を込めて向き合ったのに、返ってこないときがある。でもそれは、愛が否定されたのではなく、ただ“愛の温度”が届いていないだけ。 『愛は常に、“同じ深さを感じるものだけ”に応える』 “ほんとうの愛”これは、形では伝わらない。言葉でも、説明でも、理論...
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