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金沢高校のトレーニング指導についてった①(週刊アヴトーク2025年第03号)

時は2025年1月、

わざわざ大雪の日に、金沢に出張する奴がいた。

坂本と阿部講師のことだ。

 

金沢に向かって、 トンネルを何度も抜け、その度に、雪国感が増していく。

 

金沢の先生たちは、 大阪というブランドというのが決め手の1つだったという。 その意味も分かってきた。

坂本のお気にのニット帽が空を舞いそうなくらい、圧を感じる風に、足取りが重くなる。

だが、 重量級の男(私達のことだ)よりも、華奢な女性がずんずんと進んでいく。

「こんな険しさを当たり前のように身に受けて、育ってきたんだなあ」
と、感心。 (日本海恐るべし)

 

それからというもの、天気予報で、「日本海は大雪の恐れ…」 などと坂本は関係ないときも日本海の動向が気になるスキルを習得してしまった。

 

いよいよ、金沢高校の扉を叩く時がきた。

不審者ではないので、校門から入る坂本。

廊下を歩いていると、 生徒にかける想いが、メダルの数からわかる。
少年少女たちを応援してきた、まさに勲章だ。

 

高校のトレーニングルームに入った。 大人数用に作られた部屋に、中央部を大きく空けて、隅々に使い古されたマシンや器具が所狭しと並ぶ。

 

 

ずんしんと重たい空気に包まれる。 その中央で、 阿部講師が、見事な屈伸を披露する。

いや、ごめんなさい。 見事かは分からない。
だが、明らかに、 職人、スペシャリストの空気をまとっていた。

ギリギリ座れるくらい椅子に、股関節の曲げ動作で、 お尻が椅子に当たった反動で、立ち上がる。

その様子は、空気をスパンと切り裂くようにも見えた。
反動使ったキレのある動作は、こんなにも綺麗なのか。 そして、このキレが、ありとあらゆる動きに加わる。 どれほどのパフォーマンスが、発揮できるのだろうか?

ワクワクが隠しきれない。

 

 

阿部講師とは、電車でたくさん話した。

実は、阿部講師はお話が大好きだ。 行きの2時間ずっと話していた。

阿部講師が話し下手でなくて良かった。 その時、阿部講師は、今日することを、その時も悩んでいることを打ち明けてくれた。

物知りだからこそ悩むのか、ただ準備不足なだけか。
それは前者だった。

明らかに初めての取り組みだ。
海外の初めて見る果物に、味の想像なんて付くはずがない。

それと同じで、 金沢の高校生の、感受性なんて想像は付かない。

だが、阿部講師の中で、一つの答えはあるようだった。

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