
12/22の14時から17時過ぎまで、本部マネージャーの会議があった。これは12/19の全体ミーティングの“続き”でもある。全体では数字と成果、アヴニールの今後の展望、AIの話まで踏み込んだ。そして「まずはここを越える」という第一段階の評価ラインを置いた瞬間、空気が二層に割れた。すでに越えている側は深く頷き、未達の側は真剣な顔で、どこか視線を避けたのが明白だった。
責める場ではない。だが曖昧にもできない。だから12/22は、宣言を“回る運用”に変える会議になった。強度は落とさず、重さを落とす。噂ではなく事実で整え、評価を標準化し、増やす前に受け皿をつくる。年明けから、新しい組織の走り方が始まる。
アヴニールにとって、2026年はすでに始まっている。
参加率が落ちたのではない、設計が重すぎた
育成の場(以下、アカデミー)の参加率が下がっている。数字だけ見れば「参加しない人が増えた」に見える。だが会議で見えてきたのは、能力や姿勢の問題ではなく、設計の問題だった。移動を含めた拘束が長い。休みやセッションと競合しやすい。結果として「やり切りたいのに、物理的に詰む」瞬間が増えていた。
それが、実施する側と実施させる側の溝だ。参加者は現場のプレイヤーでもある。だから現場の“詰みやすさ”そのものを、最初から設計に組み込まないと土台づくりが続かない。
より柔軟に、より強固にである。
ここで守られた価値観は根性論ではなく再現性だった。強度を落とさず、続く形に直す。これが最初の合意になった。
対面の熱量か、オンラインの効率か
次にぶつかったのは形式だ。対面には熱がある。空気が変わる。集中が生まれる。だが同時に、移動は負荷であり、継続の敵にもなる。熱量と効率。どちらにも理由があるからこそ、議論は止まらない。
結論は二択ではなかった。基本はオンラインを軸にしつつ、必要な場面だけ対面を使う。重要なのは「集まること」ではなく「上達が起きること」だという再確認が入った。
時間を奪うか、原理を渡すか
議論は「時間を使わせる意味」へ踏み込んだ。下作業のように見える時間も、原理を理解し、意味を自分で見つける訓練なら価値になる。逆に、意味が伝わらない拘束は摩耗しか生まない。
アカデミーは罰則ではない。技術と人格形成、働き方の基礎を整える場だ。だからこそレポートの質を上げる。成果物への意識を上げる。受け手を「やらされる側」に置かず、「実施者に近いスタンス」へ引き上げる。ここでも設計の大切さがわかる。
年明けから“週次/月次の二本柱”で回す
年明けから運用は二本柱になる。週次では、定例の集まりを置く。対面かオンラインかは場面で使い分ける。そして週次レポートを回し、自己省察の強度を保つ。月次では、各チームで研修・研究会を行い、自主課題の実行と振り返りを積み重ねる。
動画視聴とレポート提出を週次で回す一方で、フィードバックは簡易チェックを組み込み、負荷分散する設計に寄せた。頑張りを求めるのではなく、“カレンダーに落ちる運用”にするという意志があった。
セルフマネジメントで「使う人間」へ寄せる
AIの話は、未来の脅しでもなんでもない。間違いなく今の課題設定になってきている。残るのは「使われる人」ではなく「使う人」だ。末端であっても、自分の課題を言語化できる人が強い。そのために、課題を複数挙げ、そこにフィードバックを受ける「自習カリキュラム制」を導入する流れになった。
全員を同じ型に押し込む標準化ではない。個別の良し悪しに合わせて、本人が自分を管理する。問いを一つ置く。スタッフ一人の課題であっても、全員で真剣に望む。
それがアヴニールにとっての宝物になるのである。
ロープレを「やった感」から「評価できる」へ
オンライン中心になるほど、ロープレの評価が曖昧だと形骸化することは明らかだ。回数だけ増えても質が上がらない。だから必要なのは“評価の標準化”だ。何をやったか。何を基準に良し悪しを判断するか。どう記録し、どう改善につなげるかが
チェックシートが整えば、努力が資産になる。整わなければ、努力が迷子になる。ここは設計で救う領域だ。
努力を評価できる設計こそ、組織にとっては大切だ。
噂が回ると、現場の空気が腐る
人事・マネジメント面では、事実確認と伝達の筋を通す話が中心になった。扱いが難しいテーマほど“噂”が増える。噂は派閥をつくり、個人の意見が会社の意見に見えてしまう。そこから現場の空気は腐っていく。
誰もが顔を伺い、本音を探り合う腐った組織で働くのか?いや、働きたくない。
軸は、事実ベースで、公式発信に統一することだ。個人の感想で運用しない。言い回しも過激にしない。目的は監視でもコントロールでもなく、安心と再現性の確保だ。
称賛と承認を“設計して増やす”
会議の佳境がここであった。成果者をちゃんと称える。統括の場で承認を出す。依頼は期限を明記する。文化は放っておくと荒れる。だから望む文化を“運用”として置く。
最近、誰かの良い仕事を言葉にできただろうか。称賛は性格ではなく仕組みにできる。そういう割り切りが、文化を守る。文化を作る。それこそアヴニールである。
品質の仕組みを「個人技」から「チーム構造」へ
品質や育成を支える仕組みは、管理職の個人技に寄りがちだった。ここをチーム内で解決する構造へ寄せる。管理職のリソースを削り、統括の時間を“現場へ還元する時間”に変える。
強い人を増やすより、強い仕組みを増やす。その割り切りこそが、アヴニールが目指す先だ。
集客を増やすと、現場が詰まる
広告と体験の話は、アクセルとブレーキの同時操作だった。配信環境の変動で調整が必要な局面もある。年明けは体験が増える想定だ。増えるのは良い。だが受け入れ体制が追いつかなければ、体験の質が落ち、現場が疲弊する。
共有された現場感は明快だった。入会率の課題は技術よりも関係構築にある。傾聴、評価、提案。体験設計の大半はここに乗る。
アヴニールが求めているのは、スキルだけではなく、人らしくあることである。
体験の“勝ちパターン”を標準化する
体験が属人化していると、増やした瞬間に崩れる。質問テンプレ、傾聴チェック、提案の骨格を整え、再トレーニングに落とす。増やす前に整える。
宝の持ち腐れをせずに、組織で回す。誰もがアヴニールのトレーナーとして誇りに思ってほしいのだ。
評価が曖昧だと、努力が迷子になる
評価設計の話は、未来への投資だった。一定周期の評価、KPI設計、面談の導入。運用の見直しで、週1の定例を「必要時に実施」へ切り替える方針も出た。
ポイントは売上そのものではなく、行動と積み上げを見える化することだ。現場が改善できる指標を揃え、継続価値の向上へつなげる。
数字をもっとも重視しないと
共通のチェックシートで、評価の筋を一本にする
「誰が見ても同じ結論にたどり着ける状態をつくる。」
この一文に、評価設計の意図が集約された。評価者の感覚や関係性で結果が揺れる限り、現場は安心して挑戦できない。だから共通のチェックシートを置く。売上だけではなく、行動・準備・改善の跡が見える設計にする。
重要なのは、完璧な制度を一気につくることではない。まずは“筋”を一本通すこと。ズレが出たら直す。更新前提で回す。評価を「イベント」ではなく「運用」に落とすという選択だった。
まとめ:宣言は、回らなければ意味がない
12/19は宣言だった。12/22は、その宣言を「どう回すか」を決めた日だった。
強度は落とさない。だが重さは落とす。個人の頑張りに依存しない。噂ではなく事実で整える。増やす前に受け皿をつくる。その一つひとつは地味だ。だが、組織は地味な設計でしか強くならない。
年明けから始まるのは、気合いの再注入ではない。新しい走り方だ。問いはシンプルだ。今のこの運用は、人を責めずに、成長を生み続けられるか。
12/22の会議は、その問いに「YES」と言える形を、ようやく動きだした日であった。
