CTO阿部の「ことばの種」– category –
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在り方を大切に【ことばの種】
人はしばしば「何をしたか」で評価される。成果や肩書きは目に見えやすく、数字や記録に残りやすい。 だが、その背後にある「どう在るか」は、目には映らず、しかしすべてを決定づける。 静かに立つ者の気配、声の温度、沈黙の奥にある態度。それらは言葉... -
攻略ではなく自己表現へ【ことばの種】
「どうすれば上手くいくか」「どうすれば勝てるか」そう問い続けると、人はいつの間にか“攻略”という枠に閉じ込められていく。 正解を探し、効率を求め、他者との比較に心を削られていく。しかし、その先に残るのは、達成感よりも虚しさだ。 『攻略は外を... -
感じ分かち合うこと【ことばの種】
人はひとりで立てるように見えて、実際には誰かと肩を並べているときに最も強くなれる。 試合に敗れたとき、隣で悔しさを共有してくれる存在。喜びを分け合った瞬間、まるで自分以上の力を得たかのように感じる存在。 『感情は自分の中で完結するのではな... -
機能的価値から感情的価値への変化【ことばの種】
人の生き方を振り返れば、かつては「役立つもの」を手にすることが“生きるための条件”だった。 食べるために、守るために、働くために。そこにあるのは生存のための“機能”。 しかし時代が進むにつれて、機能を満たすことだけでは、人の心は満たされないこ... -
可能性を開く鍵は感情にある【ことばの種】
心はしばしば理性によって制御され、外に出すことを許されない。 けれど、本当に未来を変える力を持つのは、冷たい計算ではなく、生々しい感情だ。 感じることは、まだ形にならない可能性を見つけることに似ている。心が震えた瞬間にこそ、新しい扉は開か... -
便利を知るから、不便を感じる【ことばの種】
不便はもともと「欠け」ではなく、ただそこに在る日常の一部だった。だが便利を手に入れた瞬間に、それは不足として立ち現れ、我々は自らの眼で「不便」という名をつけた。 比較が始まったとき、満ちていたものは欠けへと変貌したのだ。 『不便とは、便利... -
目は口ほどに物を言う【ことばの種】
言葉が途切れたとき、最も雄弁に語り続けるのは「目」だ。 そこには抑えきれない感情や、言葉に変えられなかった願いが潜んでいる。人は口では取り繕えても、目の奥に揺れる光や影までは偽れない。 『目は言葉の届かない真実を告げる』 真正面から強く「視... -
不屈の精神【ことばの種】
不屈とは、ただ倒れずに突き進むことではない。 広く世界を見渡すような大局の目と、一枚の葉の揺らぎさえ見逃さぬ細やかな眼差し。 その両方を併せ持つとき、精神は初めて揺るぎなきものとなる。 人は困難に出会うとき、大きな流れをつかもうとして細部を... -
分からずを抱え、理解し進む【ことばの種】
霧の中を歩くとき、私たちはたびたび足を止めたくなる。見えないことは、不安を呼び、先へ進む勇気を奪うからだ。 けれども、歩みをやめてしまえば、その先に待つ景色に出会うことはできない。 『分からないまま進むことは、恐れではなく、勇気のかたちで... -
習慣をつける【ことばの種】
時間に流される生き方は、自由のように見えて、実はもっとも不自由だ。気分や状況に振り回されるなら、選択肢は常に外側に握られてしまう。 けれど「習慣」を持つと、時間は敵ではなく、味方へと姿を変える。 『習慣は、時間を従えるのではなく、時間を味... -
真っ直ぐを知る【ことばの種】
人は「真っ直ぐ」という言葉を簡単に使う。しかし、本当の意味でそれを知るには、自分が真っ直ぐに立ってみなければならない。 軸を持たずに「真っ直ぐ」を語ることはできない。光が差すとき影が生まれるように、軸があるからこそ、揺らぎや歪みも見える。... -
常にオーナーシップを持つ【ことばの種】
自分の人生におけるすべての選択と行動に、主体的に立ち会うこと。 それが「オーナーシップを持つ」ということだ。 それは誰かのせいにすることも、環境のせいにすることもやめ、自分の手で未来を引き受ける覚悟。 『オーナーシップとは、責任を恐れず、自... -
人としての秩序【ことばの種】
心が揺れるのは、外の出来事のせいだけではない。 内にある「秩序」が崩れるとき、私たちは不思議なほどに小さな波にも呑まれるものだ。 「人としての秩序」とは、外形の正しさではなく、内に澄む調べのこと。 人はしばしば、“ムリ”を背負い込み、“ムダ”に... -
好きと商売の切り分け【ことばの種】
好きなことを仕事にする。 一見すると理想の形に思えるが、その中には避けられない矛盾が潜んでいる。 好きは心から自然に溢れるもの、商売は対価を前提として成り立つもの。 どちらも尊いが、同じ場所にありながら異なる性質を持っている。その境界に立つ... -
言葉あって意達せず【ことばの種】
光が差し込む前の薄闇のように、言葉はいつも不完全で、輪郭だけを置き去りにする。 どんなに整えた文でも、心の深部に触れなければ、ただの音に過ぎない。 器ばかりを磨いて、水を注ぐことを忘れてはいないだろうか。 言葉は矢であり、橋であり、時にただ... -
考えることを怠らない【ことばの種】
言葉は、心を形にする唯一の舟である。 私たちの内側に生まれる思考や感情は、言語化されて初めて輪郭を帯び、他者に届く力を持つ。 どれほど深い洞察であっても、言葉にしなければ存在しないのと同じであり、沈黙の奥に眠り続けるにすぎない。 だからこそ... -
行動の型【ことばの種】
行動には必ず“型”がある。 人は無意識のうちにその型に沿って動き、積み重ねていく。 ある人はそれを“癖”と呼び、矯正すべきものとして捉える。だが別の人は、それを“個性”と呼び、唯一無二の輪郭として尊ぶ。 癖と個性の差は、外から貼られたラベルではな... -
正しい環境を整える【ことばの種】
環境は、“あなた”を映す鏡であり、未来を形づくる土壌でもある。 どれだけ志を掲げても、その志を支える場が乱れていれば、種は芽吹かない。 だからこそ、まず「環境を正しく整えること」がすべての始まりなのだ。 『正しい環境は、意志を眠らせず、行動を... -
価値あることには代償が伴う【ことばの種】
光の射す道は、いつも平坦ではない。山を越え、谷を抜け、手を伸ばすほどに、その背後には必ず何かを手放す影が寄り添う。 求めるものが大きければ大きいほど、払うべき代償もまた大きい。だからこそ、心に問わねばならない。 何を差し出してでも、手に入... -
自負心の排除【ことばの種】
人は、気づかぬうちに「自負心」という鎧を身にまとう。 それは、自分を守るように見えて、実は他者との距離を生み、自らの成長を閉ざしてしまう。 努力の証が誇りに変わるのは自然なことだが、その誇りにしがみついた瞬間から、視野は狭まり、心は硬くな... -
即座にすっかり赦す【ことばの種】
赦すことは、決して簡単な営みではない。 怒りを押し殺し、ただ善人のように振る舞うだけでは、それはやがて心を蝕み、偽りの影を濃くしてしまう。 復讐心を隠し持ちながら与える赦しもまた、赦しの名を借りた報復に過ぎない。 そんな赦しは、心を軽くする... -
学び続けること【ことばの種】
学習意欲を持ち続けることは、未来を選び続けることに等しい。 人は歩みを止めた瞬間、知らぬうちに後退を始める。新しい学びは呼吸のように、吸うたびに心を広げ、吐くたびに古い殻を手放させてくれる。 『学び続ける者は、未来を選び続ける者だ』 その意... -
他人のためにリスクを犯す【ことばの種】
人はしばしば、自分を守るために壁を築き、危険を避けようとする。 けれども、偉大さとは自分を守ることではなく、他人のために一歩踏み出すことの中にある。 真に大切なのは、恐れを押し切る勇気ではなく、誰かを思ってその恐れを引き受ける心なのだ。 『... -
唯物主義からの脱却【ことばの種】
物の多寡で価値を測る生き方を静かに手放すこと。それが唯物主義からの脱却である。 私たちの周りは数や効率で埋め尽くされ、所有こそが豊かさの証のように思わされている。 しかし、物を持てば持つほど、心は軽くなるのではなく、むしろ鈍く、曇っていく... -
軽やかな心【ことばの種】
軽やかさとは、空虚さではない。何も持たないのではなく、抱えているものの意味を見極め、本当に必要なものを選び取る勇気から生まれる。 大切なものを抱きしめつつ、それ以外は風に託す。そのとき、心は重さの中にあっても、しなやかに羽ばたく。 『軽や... -
適度な仕事の大切さ【ことばの種】
適度な仕事。それは力を維持する最上の方法であり、非活動的な力や、弛んだ力を救う唯一の無害な刺戟剤である。 人は極端に走りがちだ。休みすぎれば鈍り、走りすぎればすり減る。その中庸にこそ、人を生かす滋養が潜んでいる。 「適度な働きは、心身を長... -
絶えず有益なことを成す【ことばの種】
絶えず有益なことを成す。それは、自分の思いや感情に振り回されずに、「与えられた瞬間に誠実である」ということ。 焦りや心配は未来を奪い、いまを曇らせる。不安や苛立ちは、心を小さく狭く閉ざす。 だが、どんな時も「何が有益か」を選び取る心がある... -
二つの責任【ことばの種】
人は誰もが、目に見えない糸で役割と出来事に結ばれている。そして、そこには二つの責任がある。 ひとつは、与えられた役割や立場に応答する「レスポンシビリティー」。もうひとつは、知ってしまった事実に沈黙せず向き合う「アカウンタビリティー」。 任... -
ノブレス・オブリージュ【ことばの種】
高みに立つ者には、景色と共に“重み”が与えられる。 ノブレス・オブリージュ。それは「高貴さは義務を伴う」という意味のフランスの古い言葉だ。 特権は享受するためでなく、責任を引き受けるためにある。 『与えられたものを、誰のために使うのか』 その... -
無限消失点【ことばの種】
地平線の果てに、吸い込まれるように消えていく一点がある。 その点は、決して手にはできず、しかし目を逸らすこともできない。 『無限消失点は、限りある歩みに無限の意味を与える』 人生は有限でありながら、私たちは果てのない一点を追い続ける。直線の... -
自己自存と自己充足【ことばの種】
生き残るために立つか。生き抜くために満ちるか。 この二つを混同する者は、やがて自らを見失う。 『立つ力を欠けば倒れ、満ちる力を欠けば枯れる』 「自己自存」とは、孤独の只中でも「私は在る」と言える力だ。環境も承認も切り捨てた果てに、なお残る「... -
先ず謝る【ことばの種】
人と人との間に立ちこめるわだかまりは、時に小さな石のように心に引っかかる。 その石をどける最初の力は、「自分が悪かった」と差し出す素直な一言だ。 『謝ることは、関係を閉ざすのではなく、関係を開く扉となる』 謝ることは、敗北ではない。むしろそ... -
待つ人はすべてを手に入れる【ことばの種】
花は、咲く時を自ら選ばない。陽に照らされ、雨に濡れ、ただ与えられた時を受け止めている。 『待つことは、愛の忍耐である』 それは誰もができるようで、最も難しいこと。 待てる人の心には、時を超える力が宿る。 「待つ」とは、ただ何もせずに時を過ご... -
伴奏者になる【ことばの種】
一人で奏でる音には限りがある。けれど、隣で重なる音があるとき、その旋律ははじめて広がりを持つ。 伴うとは、支配することでも、導き急ぐことでもなく、「静かに寄り添う力」だと思う。 『共に在る響きこそ、人を深く動かす音になる』 伴奏者は、相手の... -
真心【ことばの種】
真心とは、「目には見えない空気感」とでも言えるのではないだろうか。 言葉になる前の一瞬、場がふっとやわらぐ。理由は語れないのに、呼吸が深くなる。 それが人の内側から立ちのぼる「温度」だ。 『真心は、説明より先に空気を変える』 真心とは、整え... -
破壊的な発言しかできない人【ことばの種】
言葉はときに刃。ときに毛布。 刺す声の奥には、解けない痛みが眠っているのかもしれない。 そんなときは、守勢に回る前に、先ずは呼吸に耳を澄ましてみることが大切だ。 『怒りの表面には、触れてほしい傷が隠れている』 愛は無防備ではなく、境界線を携... -
期待を超える愛情【ことばの種】
「良かったです」で終わる関係は、たしかに穏やかだ。 けれど、ふっと肩の力が抜ける瞬間は、たいてい予定の外からやって来る。 『想定内の優しさは礼儀止まり、想定外の愛は記憶となる』 その一歩ぶんの余白は、心に扉をつくるだろう。 期待を満たすこと... -
成長と成功【ことばの種】
「成果」は、偶然の贈り物ではない。「成長」は、ただ時間が過ぎれば得られるものでもない。 “成功する人”と“努力し続けるだけの人”の違いは、どれだけ多くの時間を費やしたかではなく、どれだけ「効果的」であったかだと思う。 『がむしゃらより、確かさ... -
やらなくてもいいことをやる【ことばの種】
今日の「やるべきこと」を終えてもなお、伸びる手がある。 誰にも頼まれてないその「手間」は、等身大な心をそっと整える。 自分自身の「チェックリスト」の外側に、視界を澄ませる扉がひっとりと開く。 『義務の外で払う小さな誠実が、見えない明日を照ら... -
意見の一致を捨て去る【ことばの種】
自分の信念と主義と価値観、その全てを捨てることこそが“コンセンサス”である。 私たちは「分かり合うこと」を目指しながら、どこかで「自分を曲げないこと」も手放せずにいる。 けれど、本当に一つになるということは“持っているもの”を差し出すことでは... -
現状維持と現状破壊【ことばの種】
“現状維持”は醜悪であり、“現状破壊”は飢え渇きの貧しさだ。 止まることは、美しさを被った腐敗。壊す快感は、欠乏の咆哮に過ぎない。 今を生きたいなら、血の通わぬ演技ではなく、“真実の手”を動かそう。 ときに、安定も破壊も“逃避”の二択になることがあ... -
卓越性を求めて【ことばの種】
高みを目指すとは、他者の視線ではなく、自分の基準と約束をすることだと思う。 満足の手前で立ち止まることなく、もう一歩だけ深く整えること。 静かな前進が、結果の前に“姿勢”をつくる。 『卓越性は、誰かに勝ることではなく、常に自分に誠実であること... -
力の放出【ことばの種】
力は、閉じ込めるほど冷え、分け合うほど温まる。 筋肉が使うほど育つように、力も渡すほどに鍛えられる。 独占は滞りを覚え、共有は循環を生む。渡した力は、受け取った者の中で形を変え、温度を帯びて、更なる拡がりを見せる。 “私の力”から“私たちの力... -
心身一如と身心一如【ことばの種】
心と身体は、どちらか一方だけでは整わない。心から整えても、形から整えても、結果は同じ場所に重なる。 姿勢、呼吸、所作という「形」が、心の働きを引き出すものだ。 『入口は違えど、行き着くのは一如である』 心だけを追えば不安定になりやすく、身体... -
仕事を成し遂げる【ことばの種】
1日8時間の仕事をきちんと埋めたとしても、人生の芯は空白のままに終わっていないだろうか。 「終わらせるための仕事」は、確かに私たちを生かすが、「成し遂げるための仕事」だけが、私たちを前進させる。 終わらせるだけの働きと、成し遂げるための働き... -
安心感の提供【ことばの種】
揺れる心からは、安心感は生まれない。 誰かの不安に手を伸ばす前に、先ずは自分の足元に灯りを点けよう。 心が波立つままでは、優しささえも揺れてしまう。 『持たぬものは、渡せない』 それは、厳しさではなく、真実の合図。だからこそ、与える前に整え... -
美意識とは【ことばの種】
美しさは飾りではなく、軸を支える芯ともなる。強さがなければ美しさはすぐに崩れ、逆に美しさがなければただ硬いだけになる。 『美しさと強さは、互いを映し出す鏡』 美意識とは、単なる感覚でも趣味でもない。それは、日々の姿勢や言葉の選び方、手の置... -
能力の真意【ことばの種】
世の中が称える力は、多くの場合、他者の評価に支えられている。 肩書きや実績。それは、誰かが与えた舞台の上で輝く。 だが、真に光を放つ能力は、誰も見ていない場所で育まれる。 『借りた光ではなく、自らの火を灯そう』 他人の手によって開かれる扉は... -
果実よりも種【ことばの種】
『側は時を飾り、中は時を繋ぐ』 果実は時間を食べ、種は時間を育てる。甘さは刹那、核は永遠。 未来を愛する人は、中に手を伸ばす。 外を磨くより、中を耕そう。永遠は、目立たぬ場所に静かに棲む。 果実は、見せるためにあるように見える。だが、種は残... -
自己規律の真髄【ことばの種】
一日の幕開けは、音もなく静かなものだ。しかし、既にその静かなる幕開けから、我々は自己との見つめ合いを始めている。 「やるべきこと」は常に目の前にあるのに、「やる時間」はいつも足りない。 それでも我々は歩み続ける。己に従う“術”を知り得るため...
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