
人は、気づかぬうちに「自負心」という鎧を身にまとう。
それは、自分を守るように見えて、実は他者との距離を生み、自らの成長を閉ざしてしまう。
努力の証が誇りに変わるのは自然なことだが、その誇りにしがみついた瞬間から、視野は狭まり、心は硬くなる。
誇ることは、必ずしも悪ではない。
しかし「誇らなければいられない心」は、敗北を恐れ、学びを拒み、真実の柔らかさを失わせる。
ほんとうの強さとは、過去に得た証明を示すことではなく、誇らずとも歩み続ける姿勢にこそ宿る。
『誇りを守るより、謙虚を守れ』
自負心は過去の自分に縛りつけるが、謙虚さは未来の自分を解き放つ。
「私はできる」と言い張るより、「まだできる」と受け止める心こそが、次の扉を開く。
そこには敗北の恐れも、勝利の酔いもない。
あるのはただ、成長を選び続ける自由だけだ。
『成長は、誇りではなく謙虚さの上に積み重なる』
自負心を手放したとき、人は柔らかくなり、広がりを持つ。その柔らかさが、人を学ばせ、人を結び、人を磨いていく。
誇らなくてもいい。ただ真実に向かって一歩を進めれば、それだけで人は大きくなっていく。
『自負を脱いだ心にだけ、未来は宿る』
だからこそ、自負心を排除することは「無くすこと」ではなく、「委ねること」である。
誇りを脱ぎ去った裸の心にこそ、本当の強さと優しさが息づくのだ。