
『側は時を飾り、中は時を繋ぐ』
果実は時間を食べ、種は時間を育てる。
甘さは刹那、核は永遠。
未来を愛する人は、中に手を伸ばす。
外を磨くより、中を耕そう。
永遠は、目立たぬ場所に静かに棲む。
果実は、見せるためにあるように見える。
だが、種は残すために在る。
形あるものは時の経過とともに変わり、やがて風に溶ける。
しかし、形なき核は、変わらぬまま時を渡りゆく。
人の肩書きや栄光は果実、人格や誠実さこそが種である。外の輝きは喝采を集めるが、中の力は未来を守る。
『側の誇りは今を整え、中の誓いは未来を整える』
“あなた”の華やかさではなく、“あなた”の沈黙の力を知りたい。未来を託す場所は、いつも“あなた”の中にあるから。
『中に蒔いたものだけが、未来を呼び寄せる』
もし今、“あなた”の中の種が芽を出さなくても焦る必要はない。種は土の暗がりの中で、自分の季節を知っている。そして、芽吹きの時は種自身が決める。
外の時間に追われずとも、中は必然としてその“時”を迎える。
果実は一瞬を満たす。
種は時を超え、世代を越える。
今、中を守ることは、
“あなた”の知らない“あなた”を守ること。
始まりを託す者は、永遠を繋ぐ者。
だからこそ、外ではなく中を。
今の“あなた”の手の中で。