二つの責任【ことばの種】

人は誰もが、目に見えない糸で役割と出来事に結ばれている。そして、そこには二つの責任がある。

ひとつは、与えられた役割や立場に応答する「レスポンシビリティー」。
もうひとつは、知ってしまった事実に沈黙せず向き合う「アカウンタビリティー」。

任されたものを守る責任と、見てしまったことを語る責任。

その両方に呼ばれながら、人は生きている。

『責任は、与えられるものと、気づいてしまうことで始まるものがある』

レスポンシビリティーは、委ねられた灯火を絶やさぬ義務。アカウンタビリティーは、炎を目にした者が知らせずにいられない義務。

ひとつは“預かったものへの応答”、もうひとつは“見抜いたものへの証し”。

人はその両方を背にして初めて、誠実な歩みを刻む。それは時に重荷に感じられるが、その重みこそが人を成熟させ、深みへと導く。

『応答すべきことと、証しすべきこと。その両輪で人は進む』

与えられたことを果たす責任と、知ってしまったことを語る責任。その両方が、人を人にするのだ。

どちらか一方しか果たせない時があっても、それで全てを失うわけではない。大切なのは、責任に向き合おうとする姿勢。その歩みは必ず誰かを支え、未来に届いていく。

『責任は、完璧に果たすことより、誠実に向き合うことにこそ価値がある』

そして人生は問いかけてくる。
「“あなた”は何を任され、そして何を知ってしまったのか」と。

その問いに応答することが、未来を灯す小さな火となるのではないだろうか。

責任を担うとき、人は未来を灯す存在となる。

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